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再発防止が重要[件]200[%]100仕事に関するノウハウの発見・蓄積未然防止が重要既知のノウハウの考慮漏れ・考慮不足の増加[%]100806040200��その他問題E問題D問題C問題A問題B���6040200[件][%]1009080706050403020100その他問題問題問題問題問題A�B�C�D�E�100806040200[%][件]1201009080706050403020100その他問題E問題D問題C問題A問題B806040200[件]1201009080706050403020100その他問題E問題D問題C問題B問題A180160140120100806040200(a)特定の問題が集中的に発生(b)様々な問題が散発的に発生図・1再発防止を繰り返すと2.未然防止の基本的な進め方敵が考慮漏れ・考慮不足によって経験済みの問題が繰り返し発生することだということがわかれば,攻め方も自ずと見えてきます。考慮漏れ・考慮不足で起こる問題の特徴を一言でいえば,「個々の発生頻度は低いが,あらゆるところで起こる可能性がある」ということです。たとえば,問題の発生頻度を1/1,000,その問題が発生する可能性のある場所(作業や部品など)が10,000ヵ所あるとすると,実際に発生するのは平均10件です。問題が発生した箇所をすべて対策したとして,次に起こる問題はいくつでしょうか。答えは10件です(1/1,000×9,990≒10)。これが「モグラたたき」と呼ばれる状況です。このようなことが起こるのは,本当はたくさんのモグラが隠れているのに顔を出したモグラしか退治していないからです。人のうっかりミスによる品質トラブルや事故はまさにこのような性質を持っていますし,設計や保全における考慮漏れ・考慮不足による設備・機器の故障も同じです。また,これらが生産性の向上や新製品・新サービスのスムーズな立上げ,めったに起こらない災害への備えを阻害している場合も少なくありません。この状況を抜け出すには,「起こった問題」ではなく,「起こりそうな問題」を対象にすることが必要です。これが「未然防止」です。それでは,どう進めればよいのでしょうか。未然防止って何?1.未然防止がなぜ必要になるのか巻頭言では「私たちが直面する問題の多くは,過去に経験済みの問題の繰り返し」だと言いましたが,どうしてそんなことが起こるのでしょうか。どんな問題に取り組むかを決める場合に役立つのがパレート図です。私たちはパレート図をかくことで,何が重要な問題で,何が些細な問題かを区別できます。たとえば,図・1の左端のようなパレート図が得られれば,問題Aに重点を絞って原因を追究し,再発防止を行えばよいことになります。これによって問題Aは少なくなります。そこで,問題の分類の仕方を変えてパレート図を書き直すと,今度は問題A'が重要ということがわかります。そこで,これに絞って再発防止を行います。すると,問題A'も少なくなります。このようなことを繰り返すことで,仕事に関するノウハウの発見・蓄積が進み,問題の発生頻度はどんどん低くなります。ところが,しばらくするとどんなに横軸の分類を変えてみても小さな問題ばかりが並ぶようになります。みなさんの会社や職場でもこれに似たことは,程度の差こそあれ,現れてきていると思います。これは,仕事に関するノウハウが膨大となるにつれて,それらすべてを考慮することが難しくなり,考慮漏れ・考慮不足が発生するからです。このようにして発生する問題は,ノウハウの不足によるものではなく,人が一定以上のものを考慮できないために起こるものですから,技術的に特定の領域に集中せず,様々なところで散発的に発生します。結果として,パレート図の横軸の分類の仕方を変えてみても右端の図にしかなりません。こうなると従来とは別のアプローチを考えることが必要になってきます。10QCサークルNo.750