QCサークル 2023年9月号(No.746)


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よくあるアンチな意見数値化が難しくて活動が滞る「定性的な問題を数値化しろ」と言われるが,サークルにとっては負担になっている。自分たちの困りごとであり,ありのままの表現でもいいのではないか。私たちは,このような活動をしています困りごとの事実を明確にすることが数値化㈱MaxWise技術部第三課「Aチームサークル」井上友美さん当社は,岐阜市で一般産業機械・自動倉庫・物流機器などの設計業務を受託しています。私たちは,各部門から選出されたメンバー10名(平均年齢35歳)で,全社的な問題や課題を取り上げて日々の改善活動に努めています。活動の工夫設計業務では,進化する様々なCADソフトを使いこなす必要がありますが,スキルレベルを数値化することが難しく,活動が停滞するような事態も生じていました。そこで,「感性の重みづけも数値化では?」との声をヒントに,その後の活動では,問題・目標・効果を,メンバーの人数や感度の大きさなどで表すように工夫しています。たとえば,•知識の理解度(基礎・中級・上級)を個人が自己診断(図・1参照)•対策評価をアンケート調査(図・2参照)といった官能評価を数値化データとしています。こんなメリットがあります•数値化するために費やしていた苦労や時間が軽減されました。•数値化にこだわることなく,幅広い問題や課題に取り組むことができます。井上さん攻め所の明確化(現状の姿)▶メンバー全員のCADに体する操作スキルを確認したYES:2人YES:4人NO:8人作図するための基礎知識•プロジェクトがわかる•テンプレートがわかるNO:6人基本操作知識•部品図が描けるYES:4人YES:2人中級操作知識•ASSYが理解できている•idw化(図面)ができるNO:8人NO:6人上級操作知識•解析ができる図・1理解度の自己診断結果効果の確認(マニュアル完成度)マニュアルのありたい姿必要な情報を探しやすい(見やすい)新人が読んで理解しやすい(わかりやすい)ベテランにとって新人教育しやすい(内容の充実)評価項目評価実施した方策見やすさわかりやすさ内容の充実カテゴリ別に分かれているインデックスがある文字だけでなくサンプル図を添えて表現する図面自体に解説を入れる新人に作成依頼する図面と似た参考図があるどんな製品のどの箇所の図面を描くのか全体像を説明しやすい新人でも基本的な項目については自力でチェックできる555555555553555355555評点1257512512575完成度(%)1006010010060125100125100マニュアルの完成度89%図・2アンケートによる完成度確認◎コメント定性的な問題や課題を数値化することで,目標と効果がわかりやすくなり達成感が得られます。しかし,あまりにも数値化にこだわって,目的を見失ってはいけません。この事例のように,自分たちの困りごとを自分たちの感性で評価しても,決して間違いではありません。数値化が壁となって活動を低迷させないことですね。(構成河島和美)10QCサークルNo.746


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