QCサークル 2023年3月号(No.740)


>> P.6

やる気と意欲の源泉は小改善の継続から事例1作業負担の大きい職場の職場改革を小さなテーマの継続改善で実現理研ビタミン㈱大阪工場生産管理課物流係ハングリー・サークル1.はじめに私たちの職場は,「リケンのノンオイルドレッシング」で知られる理研ビタミン㈱の食品用・化成品用改良剤製品を開発・製造している大阪工場です。私たち「ハングリー・サークル」は,社員2名と技能社員4名で構成され,原材料の荷受けから現場への出庫作業を行っており,工場物流の重要な役割を担っています。物流係の取り扱う物量は日量100トンで,作業者負担が大きく,残業や早出出勤などが当たり前の職場でした。2.テーマの概要人事異動により生産計画を担当していた私(谷口)が新たにサークルに加わり,その後サークルリーダーになった際に,「なんでこんなしんどいことをやっているの?」という作業が多いことに驚きました。しかし,作業負担の大きい職場の職場改革に対するメンバーからの反発が強く,QCサークル活動の難しさに直面していました。そこで,QCサークル活動に興味のありそうな一人(技能社員)を協力者に巻き込み,職場改革という大テーマを身近で緊急性のある一連の小テーマの継続的な改善活動によって,実現することをテーマとしました。すなわち,パート1として作業者負担が高い「パレット荷積替え作業の撲滅」から始め,パート2として「出荷準備作業の前日移管」,パート3として「パレット割当表作成のための残業撲滅とパレット配布作業時間の短縮」,そしてパート4として「パレット管理・回収の改善を実現」をテーマに取り上げた活動を展開することにしたのです。(パート1)から改善を始め,大きな負担軽減をはかることができました。パート1の改善ができたことで,次の改善(パート2)ができるようになり,身近な作業が楽になってくるようになると,ほかのメンバーも協力的になってきて,さらに関係部署も巻き込んだ活動(パート3)となり,ついには過去に何度も試みたが改善するに至らなかった課題を,関係各方面の協力を引き出し,改善することができるまでになりました(パート4)。※レンタルパレットの導入を行い,積替え作業がなくなったことにより,出荷スケジュールが3時間短縮されました。5時間→2時間(関東行き)3時間の短縮3.活動の実態(パート1)関東向け出荷はパレットの種類が違うため,日々汗だくになっての製品の積替え作業。レンタルパレットの導入により積替え作業の廃止。出荷スケジュールが1日3時間短縮され,10QCサークルNo.740積替え作業がなくなったことで時間に余裕が生まれた図・1パート1対策実施


<< | < | > | >>