QCサークル 2023年3月号(No.740)


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労力の削減や作業場所の安全確保が実現できました(図・1参照)。(パート2)パート1で出荷作業の時間短縮がはかれるようになったため,出荷当日の朝に1名が早出残業していた出荷準備作業を前日にできる業務シフトに移管。よって,早出出勤をなくすことができました(図・2参照)。特集今,改めてQCサークル活動のねらいを問う効果の確認※対策前と対策後のタイムスケジュール※作業時間が短縮した!対策前:朝1時間早出あり,残業あり対策後:早出なし17:00時終了早出必要なし早出出勤はなくなり作業のバランスもとれた。図・2パート2効果確認(パート3)パート1,2の活動によりメンバーが協力的になってきました。そこで属人化し,残業で対応していたパレット割当表作成作業を,生産計画表を利用・工夫することで残業をなくすことが実現。どのパレットを使用するか,誰でもわかるように色を分け,使用ルールを決めたことで,パレットの配布作業を分担することができ,配布作業にかかる時間を105分/日短縮することができました。(パート4)これまで何度試みても改善に至らなかった「工場から出荷しているパレットの管理・回収」を,外注先や他工場および倉庫会社など広範囲に協力が得られるように進め,外注先に出すパレットの種類を固定化する対策によって,パレットの管理・回収の改善を実現。パレット紛失によるムダな工場経費の発生を防ぐこともできました外注先・他工場へ出荷したパレットの返却連絡の開始表・1パート4対策実施項目使用パレットについて説明会を実施他工場への出荷パレットの固定化パレット枚数の自動計算表記化外注先パレットの固定化使用パレットの見える化配布作業を作業分担するパレット管理表の作成12345678製造課製造課生管・資材システム部共有効率化効率化見える化外注先・他工場連携先生管・外注先他工場何のために対策実施項目簡素化管理向上物流係内(表・1参照)。4.テーマから学ぶポイント昔から根づいていた「これでよいという固定観念」を打破するための最大の工夫(知恵)は,次の2つです。(1)サークル活動に興味のある協力者の確保何ごとも一人では実現できませんでした。まさに人生がそうであるように,よき仲間を得ることが成功の第一歩でした。(2)身近で小さなテーマ解決の継続による大テーマ解決シナリオの作成“職場改革!”をいくら叫んでも実現できるものではありません。身近の小さな改善を継続することで,職場に“変えられる”という雰囲気を醸成。全員のやる気と協力を得ることで大テーマを成し遂げることができました。5.まとめQCサークル活動における「やる気と意欲の源泉は小改善の積み重ね」にあることを教えてくれる事例になっています。(原守)2023年3月号11


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