QCサークル 2020年9月号(No.710)


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特集推進者(事務局)の働きかけでQCサークルのモチベーションアップへやらされ感モチベーション低下QC勉強会不足コミュニケーション不足人財育成が低下している図・15つの要因現場力低迷の5つの要因①年々ベテラン技能員の減少により固有技術の伝承レベルの低下,②QC成果打上げなどの機会も少なく,サークル会合を覗いても活発な意見交換が乏しく,コミュニケーション不足が顕著,③指導する立場にあるリーダー層の学ぶ機会が少なくサークル員へのQC教育が不足している,④①~③の結果,思うような成果が上がらずモチベーションの低下につながっている,⑤ノルマだけこなす活動でやらされ感が強い(図・1参照)などの事実関係が明らかとなり,それぞれの項目について対策検討・実施していくことにしました。現場力向上に向けリーダー自らが学び・教えともに成長!対策を進めていくうえで,サークルの自主性を尊重しながらも,リーダー自ら学び,自ら教え,サークルとともに成長していくを念頭にそれぞれの阻害要因に対し具体的な対策内容を絞り込み,各リーダーが正副で役割分担し継続性のある活動を目指して開始しました(表・1参照)。現場力低迷阻害要因表・1現場力向上に向けた施策対策項目具体的な実施内容①人財レベルが低下している②コミュニケーションが不足している③QC勉強会が不足しているリーダースキルアップ活動の実施実験部門特有の専門用語わかりやすさ勉強会の開催プレゼンテーション能力向上のためプレ発表会の実施リーダー講師によるQCサークル長勉強会の開催リーダーが社外大会に傍聴参加し,手法や発表方法などを学びリーダー連絡会にて共有化し,各サークルへ展開する実験部の専門用語について,初めて聞く人にもわかりやすいように表現を変える勉強会の開催社内外大会に出場するサークルのプレ発表会を開催し,相互コミュニケーションと内容のブラッシュアップをはかるサークル長会議の中で,リーダーからQCブックの読合せを実施し,QCの基本と手法の活用方法について再確認を行う④活動に対するモチベーションが低下している実験部層別教育の講師をリーダーが担当する⑤やらされ感の活動になっている業務直結スタイルの活動を行う3年目問題解決8年目課題達成全社QC事務局にリーダーの講師育成を依頼し,リーダーが講師となって実験部独自の層別教育を実施する従来のテーマバンクに加え,市場不具合や工場対応などの突発事案をQCツールを使い可及的速やかに解決する開催頻度参加人員6回/年6名3回/年30名6回/年60名11回/年40名1回/年3名1回/年5名4回/年40名1203111112121全社社外331’013112(年度)(件数)1234567リーダー主体の活動を通じて職場は,監督者の心を映す「鏡」といわれるように,QCサークル活動も同様に,リーダーの本気度がそのまま表れることを今回の活動を通じて,改めて思い知らされた感じがします。リーダーが自ら学び,そして教える姿を見せることでメンバーにその熱い想いが伝わり,2016年以降,過去の輝かしい時代に匹敵する成績を上げ,2017年には10サークル中6サークルが社内外大会で入賞するなど見事V字回復を果たし,サークルとともに達成感を味わうことができました(図・2参照)。’02’03’04’05’06’07’08’09’10’11’12’13’14’15’16’17図・2V字回復の実績おわりに最後に,今後も予想される環境変化に柔軟に対応できるよう,我々リーダーが先頭に立って,力を合わせながら現場力向上に取り組んでいきます。2020年9月号11


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