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QCサークル活動のレベルアップを支援するためには,まず「現状の姿」を知っておく必要があります。社内には多くのサークルが存在し,当然ですがそれぞれのサークルレベルには大なり小なり差があると思います。QCサークル活動を始めたばかりのピヨピヨサークルから,社内・社外大会でも好成績を残している百戦錬磨のサークル,あるいは製造現場と管理・間接系の職場のサークルでも,レベルに差があって当然だと思います。またサークルメンバー間でも新入社員や他職場からの異動者,中堅層やベテラン層など,それぞれの経験や知識も様々で,個人レベルの差が生まれます。推進者・推進事務局は,サークルやサークルメンバー個々のレベルを客観的に把握したうえで,着実にステップアップがはかれるような,アドバイスを心がけましょう。1.サークルレベル・個人レベルを知るC-1CABC-2D-22345X軸リーダーシップチームワーク012345活動前目標サークルレベル把握表54D-1Y軸3211D他部署との連携1.1レベル評価の方法レベル評価の方法は,多くのサークルでレベル把握表やレーダーチャート,スキルマップなどが使われています(図・1参照)。評価した結果は,客観的で,誰が見ても一目でレベルの状況が把握できることが重要になります。特にサークルのレベルに関しては,メンバーの主観的要素も含まれるため,評価の「ものさし」を事前に定義しておくことをサークルにアドバイスするとよいでしょう。QC手法の習得状況や実業務レベルのほか,活動へのやる気やリーダーシップ,コミュニケーション力なども評価の対象とし,サークルやメンバー個人の「現状の姿」を把握することが望まれます。サークルが自己評価した結果に対して,推進者・推進事務局から見た評価とに相違が生じることもゼロではありません。推進者・推進事務局は,こうしたギャップについて,サークルやサークルメンバーに理解してもらうよう,コミュニケーションをとることが求められます。改善意識コミュニケーションQC手法図・1レベル把握表(上)とレーダーチャート(下)1.2サークルのアピールポイントとウィークポイントレベル評価した結果から,サークルにとってのアピールポイントとウィークポイントを理解してもらうことが重要になります。QCサークル活動を通じて成長するためには,優位性であるアピールポイント(強み)はさらに上積みし,一方でウィークポイント(弱み)は解消していくことが必要です。取り組むべき課題を明確にすることで,改善活動を通じてサークルやサークルメンバーが,「目指す姿」(目標)を決めることができます。推進者・推進事務局は,サークルに気づきを与える存在に徹し,サークルレベルの優劣を判定する必要はありません。ピヨピヨサークルのような伸びしろが大きいサークルほど,推進者・推進事務局としてのやりがいは増すかもしれません。24QCサークルNo.752