QCサークル 2024年2月号(No.751)


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年月号59ていないケースも見受けられます。そこで,問題解決型QCストーリーを解説する前に,問題や問題解決とは何かについても考えてみます。1.問題とは,問題解決とは(1)問題とは問題解決型QCストーリーを学ぶ前に,そもそも問題とは何かということに立ち戻ってみましょう。私たちは日常的に“問題”という用語を使っていますが,問題があるとはどのような状態を表すのか考えたことはありますか?よいあるべき姿や目標ギャップ=問題現状のレベル図・1問題とは管理特性まず,問題の定義です。問題解決法について書かれた多くの書籍では,「問題とは,あるべき姿や目標と現状とのギャップ」と定義されています。絵で表すと,図・1のようになります。すなわち,問題を特定するには,「現状」と「あるべき姿や目標」の2つを明確にしておかなくてはなりません。これら2つを定量的に示すことができる場合は,問題もとらえやすいのではないでしょうか。たとえば,「現状の不良率は○%であるが,□%以下にしなければならない」といった場合,現状とあるべき姿にギャップがあることは明白であり,あるべき姿に対して現状の不良率が高いことが問題であると特定できます。一方,定量的に表すことが困難な場合は,適切に問題をとらえることが難しい時があります。そのような時には,定性的でもよいので,現状とあるべき姿がどのような状態であるのかを整理してみてください。これらを整理するため,自身の業務の目的に立ち返り,それを達成できているかを考えることも有効です。(2)問題解決とは問題解決とは,あるべき姿と現状とのギャップを埋めることを指します。ギャップを埋めるために行う活動を意味することもあります。問題解決を行う1番の目的は,テーマとして取り上げた問題を解決することですが,一連の活動経験を通して,以下を習得してもらうこともねらいとしています。◦問題解決の流れを学ぶことで,ほかの問題や業務で壁にぶつかった時に対処できるようになる。◦なぜ,問題が発生したのかというメカニズムを理解することで,はじめからよいやり方で業務を実施できるような計画を立案できるようになる。2.問題解決型QCストーリーとは図・2は,「問題解決型QCストーリー」のステップです。この順番に活動を進めていくと,効果的かつ効率的に問題解決をはかることが期待できます。テーマの選定現状の把握と目標の設定活動計画の作成要因の解析対策の検討と実施効果の確認標準化と管理の定着図・2問題解決型QCストーリー問題解決型QCストーリーは,なかなか解決できなかった慢性的な問題や突発的に生じた問


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