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第1回サークルの悩みを聴き取って解消支援する工夫はじめに本シリーズ第1回目は「サークルの悩みを聴き取って解消支援する工夫」です。推進者・推進事務局が,悩みを抱えているサークル(リーダーやメンバー)とどのように関係を持って情報を共有したらよいか,活動運営上の問題・課題に対してどのようにアドバイスするべきかを一緒に考えてみましょう。QCサークル活動の基本は,「職場の人たちがメンバーとして集まり,職場の中で発生するいろいろな問題を自主的に運営し解決する中で,人間として成長すること」です。ただし自主的な活動といっても,自分たちで勝手に活動してもよいというものでなく,管理者の方針をよく理解・納得して,時には援助をもらい,管理者と密接なコミュニケーションをとることが大切です。しかし管理者が日常的にQCサークル活動に関与することは,現実的ではありません。その間を埋めて,活動を円滑に進めるための推進者・推進事務局の行動が,活動を活性化させるポイントとなるわけです。QCサークル活動を進める中で,「仕事が忙しく会合が開けない」,「全員が集まれない」,「メンバーからの意見が出てこない」など,サークルが抱える悩みを多く聞きます。こうした悩みをしっかり聞いて,サークルの進む方向を見失わないように導くことが,推進者・推進事務局の大きな役割となります。サークルリーダーやメンバーの悩みを引き出して解消するしかけや仕組み,サークル活動を進めるうえでの問題点を解消するコツ・必要性を整理するとともに,各社で取り組んでいる優秀な事例を紹介します。なお,2024年「推進者のページ」では,登場する役職名,立場・役割を次のように定義いたします。管理者:サークルが所属する職場の上司(主に課長層)推進者:管理者に任命された活動推進の責任者,あるいは活動推進組織の長推進事務局:推進者の指示を受けて活動推進の実務を担う担当者24QCサークルNo.750