QCサークル 2023年10月号(No.747)


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がり,部長をはじめ,性別,年齢を問わず,「楽しく,仕事したいと思える環境になった!」とみんなが喜び,職場全体の雰囲気が明るくなりました(図・2参照)。特集やる気につながるサークル活動へ不安解消!ーン♪ピンポーブブ手で保持しながら1個ずつ位置決め位置ずれの恐れありやる気につながるアイデア②:誰が作業しても不良が出ないようにしたい部品位置ずれによる組立部品が取りつかないため作り直しが発生していました。不安からくる確認が増加し,作業工数がばらついていました。納期遅れや残業にもつながるため,自信を持って作業できる方法を検討しました。まず,作業時の不安解消を実施しました。スポット溶接時,大物部品を手で保持しながら,1個ずつ位置決めをしていました。女性の体格は男性よりも小さいため,作業にムリがありました。誰もが手間取らず,作業性が向上する方法として,一発位置決め治具を作製しました。結果,1回で位置決めできるようになりました(図・3参照)。次に,作業後の不安解消です。溶接女子は,溶接後に何度も目視確認,さらにメンバーに第三者チェックをしてもらっていました。製造技術チームに依頼し,グローリーが持つ顔認証技術を活用して,「カメラで検査」に変更。部品のズレや逆づけ,打点位置の確認まで,画像検査による半自動化が実現しました(図・4参照)。図・4自分でチェック!画像検査による半自動化図・3一発位置決め治具で,作業性向上!人による目視検査都度,有識者が第三者チェックPoint一発位置決め治具でPoint画像検査による半自動化!【しかけの効果】当たり前と思っていた職場環境を安全・安心な職場に改善した結果,作業工数短縮につながり,チーム年間生産性目標値を達成,生産性向上に寄与することができました。今回の活動について,2022年度グローリーグループ会社大会で最優秀賞,QCサークルチャンピオン大会イン兵庫で兵庫県知事賞を受賞することができ,社内外で評価をされました。3.やる気につながったポイント“溶接女子の目線”がきっかけとなり,自分たちの疲労度や危険度を見える化することで,性別・年齢差を超え,誰がやってもできる「多様性を意識した視点の改善」につながり,今まで「当たり前」の職場環境が生産性に大きく影響していたことにメンバー全員が気づかされました。毎日長時間いる職場を“ワクワク楽しく,自信を持って前向きに仕事ができるようにする”こと。「自分たちでできることはないか?どうすればよいか?」と,あきらめず全員で知恵を絞った結果,実現できた達成感ややりがい,日々改善した効果を体感していくことが,次の問題解決に向け,挑戦できる気持ちを育てています。(藤本史穂)2023年10月号11


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