QCサークル 2023年7月号(No.744)


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特集仕事が忙しくてもQCサークル活動はやれますよe-QCCのビジョン●業務一体の活動の中で,自己実現をはかる活動●「個」の価値を高め,感動を共有する活動●形式にとらわれない,幅広い部門で活用される活動(TPM活動)(ISO9001)職場SDGsDX(シックスシグマ活動)(CS向上活動)(JIT活動)働き方改革カーボンニュートラルQCサークル活動この活動はすでに2003年に提案され20年が経過していますが,現状実態と対比させても過去のものとは思えません。今まさに,DXにより仕事の効率化だけにとどまらず企業構造の変革,体質の改善強化,地球温暖化防止や環境保全などが求められる中,会社や組織の一員である私たち一人ひとりがこのことを意識して,行動することが重要となります。それらを図示したものが図・4のイメージです。わたしたちの職場に求められることはますます増大し,多種多様なものとなっています。「QCサークル活動での問題・課題の解決範囲はここまで」,とはいえない状況であり,職場に対して,いろいろな指示や活動の要請が増えているといえるでしょう。しかし,職場では限られた時間と人(工数)をやり繰りしながらQCサークル活動を実践し継続しています。また,DXや環境保全に対応するのは専門知識や技能も必要なため,現場部署だけが背負うには限界があります。それではどう対応すればよいのでしょうか?たとえば,一気にすべてに取り組むのではなく,まず重点指向の考え方で,メリハリをつけて活動することです。また,各活動推進部門の連携,サークルの連携,さらにはICTやシステムなど各種ツールの活用による効率化などが重要になります。図・4環境を取り巻く各種活動イメージ安全・衛生環境改善具体的な取組みとしては,次のような視点を持って取り組むことがよいでしょう。■時間/場所/部署で重点項目を変えて対応する■各活動の推進部門の連携(取り組むテーマの集約・重点化など)■組織内/組織間/サークル間で役割分担する■ICTツールの活用(IoT/AIなど)■他部門,他部署の成功事例を横展開導入する■他業種,他企業からの情報にも注視するこの考えのもと管理者・推進者は,第一線の職場が取り組むべきことを適切に指示できるようにすること,解決に向けての情報提供や支援への対応が求められます。第一線の職場は,従来よりも多くの活動に取り組む必要が高まっていることを理解し,優先順位を明確にして関係部署と協同や分担で効率的に取り組むことが重要です。以上,仕事が忙しくてQCサークル活動ができないと思っているサークルへの活動のとらえ方について述べてきました。ここで参考に,トヨタ自動車九州㈱の小集団活動について紹介します。図・5は小集団活動のねらいと位置づけを示しており,社のビジョン・中期計画,年度方針が策定され,各部門を通じて,個人・小集団に伝えられます。小集団による改善活動は,構成員,取組むテーマの2023年7月号11


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