QCサークル 2023年4月号(No.741)


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特集ニューノーマルに対応した研修会運営の工夫手本を見せてから次は受講者がやってみる流れで,ダーツ矢投げをマスターしてもらいました(表・1参照)。6.個人ワークと小部屋各演習は個人ワークが基本です。しかし,各ステップの節目で小部屋(MicrosoftTeamsでの小グループルーム)内で情報交換する場を設けました。目的は個人ワークによる不安感からの解放と,お互いの内容を確認し合うことで相互研鑽をはかることです。合否合格合格合格合格%8787541得点合計失点合計ダーツ仕様設定①重り:小2個合格計不合格計不合格率6440跳返脱落斜飛脱落的外れ矢投げ回数矢投げ結果得点不合格不合格不合格合格不合格合格310440007010386210個の要因水準例(各5水準から選択)1回目2回目3回目4回目5回目6回目7回目8回目9回目10回目図・2ダーツ矢投げシューター(一部抜粋)7.ダーツ矢投げシューターダーツ矢投げの実施は「ダーツ矢投げシューター」(図・2参照)というオンライン上のショットマシンを使います。ダーツ矢投げシューターには,ダーツの飛び方や癖に関連する10個の要因(図・3参照)が設けてあり,各要因の水準を5段階で選択できます。次に,ショットボタンを押すと一気に10投でき,レーダーチャートに1投ごとの打点位置とその軌跡などが表示されます。選択された各要因の水準に応じて打点の位置はランダムに発生するようになっています。要因の特定の組合せによっては「跳返脱落」,「刺浅脱落」,「斜飛脱落」の3種類のダーツの脱落現象が一定の確率で発生しますので,あたかも実際にダーツを投じたかのようにバーチャルリアリティを実現しています。なお,これらの事象発生確率の設定にあたっては,従来の集合研修での手作りダーツ矢投げ時の体験に基づき設定しました。ダーツ矢投げの結果は,得点,合否判定,合格数,不良数,不良率などが表示でき,問題解決の基礎データが自動的に計算される仕組みになっています。なお,各要因の選択水準に応じて見積コストが計算され,目標金額を与えることで,過剰な設備投資や材料選択を抑制しながら品質向上をはかる最適値問題になっています。図・3ダーツの10個の要因⑨バランス調整あり④重心の位置:前方⑦羽根の種類:極薄⑥羽根の枚数:3枚②針:2本③固縛:二重⑤胴体長さ:2/3⑧羽根大きさ:小その他⑩投げ方訓練あり8.オンライン研修の成果オンラインながらも可能な限りリアルに近い形で学習できるように,様々な工夫を組み入れました。その結果,数多くの業種・職種の皆様にQC的問題解決の体験をしていただけたことは,コロナ禍にあって大きな成果でした。まとめオンラインでの問題解決型研修会は運営すべてが初めてづくしでしたが,担当会社および幹事の協力で,無事開催にいたりました。地区幹事が知恵を出し合い一丸となって取り組んだ成果であり,心から感謝しています。(岡昭典)2023年4月号11


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