QCサークル 2021年12月号(No.725)


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事例1.サークルが切り拓く新しい活動のあり方㈱島津製作所全社DIO活動1.会社紹介当社は「科学技術で社会に貢献する」を社是に,分析機器,計測機器,医用機器,産業機器,航空/海洋/磁気計測機器を通して,世界のパートナーと社会課題に取り組む精密機器メーカーです。1995年から「全社DIO活動」という小集団改善活動を展開しています。2.環境変化によるそれぞれの対応新型コロナウイルスが国内で猛威をふるい始めた2020年4月に,当社は「新型コロナウイルス検出試薬キット」を,同年11月にクリニック向け全自動PCR検査装置を,開発,発売しました。ほかにも,回診用X線撮影装置の需要増など,新型コロナ関連での対応が最優先事項となりました。新型コロナ関連装置の開発,増産と感染防止に向けた新しい働き方への対応が同時に求められた中,サークルと推進事務局(運営側)は,どのような工夫をして活動を継続していったのかを紹介します。(1)サークル活動事例テーマ:自動音声ソフトによるセミナー・講習会動画作成における生産性向上と品質の均一化の実現分析計測事業部グローバルアプリケーション開発センター「三密回避withDOUGAサークル」1)サークル紹介私たちの職場では,分析機器を用いた新たな分析法の開発,お客様からお預かりしたサンプルの分析・技術説明,講習会・セミナーなどを通じて,お客様が分析において困っていらっしゃる点や課題を解決するソリューション開発を行っています。2)活動の背景新型コロナウイルス感染拡大により,これまで対三密Webセミナー動画化非効率属人化負担が大きい内容と伝わり方は講師に依存度が高い図・1活動の背景とテーマ選定理由面で行っていた講習会などをリモート対応に切り替えることを余儀なくされました。そこで,講習会などで使用するスライドに講師の音声を録音し,動画化を行いました。この作業を進めていく中で,録音環境や作業者によって動画の品質にばらつきが生じることがわかり,動画化作業の中でも「録音」が大きな負担となることが判明しました(図・1参照)。そこで,これらを改善すべく活動を行いました。3)特に工夫したのは,音声ソフトを使って自然な語り口にすることまず,現状の動画作成における困りごとについて各担当者にヒアリングを行うと,読み間違えた際の再録音や,録音作業中に衣服が擦れて入ってしまったノイズの消去に膨大な時間とストレスが発生していることがわかりました。たとえば,再録音を行う環境が前回の環境と異なる場合,声のトーンなどが変わってしまうため一つの動画の中で音質のばらつきを生んでしまいます。このような動画の品質に大きくかかわる音質のばらつきをなくし,録音・編集にかかる工数削減を目的として自動音声ソフトの利用を検討しました。24QCサークルNo.725


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