QCサークル 2020年12月号(No.713)


>> P.6

事例1地域の違いを認め,現場ニーズに合った推進を目指してコニカミノルタ㈱1.グローバル展開の状況■会社概要コニカミノルタ㈱は,2003年にコニカとミノルタが経営統合して誕生しました。両社の創業事業であるカメラ・写真フィルムからは撤退し,現在は,複写機やプリンターなどの情報機器事業が売上の約8割を占めています。また,そのほか主要な事業として,ヘルスケア事業,産業用材料・機器事業があります。現在は「課題提起型デジタルカンパニー」として,「ビジネス社会・人間社会の進化のために新たな価値を創出し続ける企業」への変革を目指しています。わが社では品質本部が,本社機能として全社の「プロセス改善」を推進・支援しています。プロセス改善とは,コニカミノルタ流のQCサークル活動の名称です。コニカミノルタ東京サイト■現在のグローバル展開状況わが社のQCサークル活動は1954年から生産部門を中心に始まりました。2000年代の生産拠点の海外(中国)シフトに伴い,品質の維持向上のため,改善活動の海外展開をはかりました。2006年に中国からスタートし,現在はベトナムやマレーシアなどのASEAN諸国への広がりを見せています。■現在のグローバル推進体制プロセス改善の推進体制は,全社の品質担当組織の傘下に推進本部を置き,その下に国内・海外の各組織の推進組織を置いています10QCサークルNo.713(図・1参照)。そして四半期に1回開催する推進責任者会議にて,全社の推進および各組織の推進の舵取り,および各種教育研修の案内・募集などを行っています。本社が決めた施策の周知が目的ではなく,各組織特有の困りごとなど広く意見を吸い上げることを目的とした会議を心がけています。グループトップマネジメント社長品質担当役員グループプロセス改善推進本部プロセス改善推進責任者会議コニカミノルタ各組織コニカミノルタ各組織コニカミノルタ各組織推進責任者推進責任者推進責任者推進責任者推進責任者推進責任者推進責任者推進責任者推進責任者図・1プロセス改善推進体制2.推進にあたって留意・工夫した点■中国での推進スタート時の工夫推進する側の必要性や押しつけではなく,現地の改善意欲の高まりを助長するスタートのかけ方を意識しました。拠点との情報交換を密にして,もっとも改善意欲の高い拠点を軸にしてそこから盛り上げていきました。2006年に現地で先行してQCサークルを展開していた石龍工場を起点に中国各拠点のメンバーを集め,キックオフを開催しました。QCサークル導入当初は,現地の熱が感じられる応援合戦や余興をプログラムに取り込むなど,最初はお祭り気分でスタートしました。その後,会社の目指す方向性へのプロモーションや,日本国内事例との切磋琢磨を経て,お祭りから改善の中身の充実へと軸足が変わり,現在では日本にも勝る活性度で展開しています。毎年開催される中国での発表大会では,中国全土で展開する数百件の事例から選抜された約30件の事例が集い,成果を競います。そこで選抜されて,日本で開催される全社大


<< | < | > | >>