QCサークル 2020年9月号(No.710)


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体験事例1(分)メイン停止阻害率期間作成日作成者~月佐々木(%)%が激しく砂袋まで損傷している状態でした。砂袋に穴が空いたため,真空にすることができず異常が発生していることが明確になりました。その他その他(%)砂袋ハンド構成外袋砂袋砂状のためどんな形状にもなじむ材質は防弾チョッキなどに使用するアラミド繊維砂袋ハンド①袋内部はフリーの状態②砂袋を形状になじませる③砂袋内を吸引真空固定④真空維持移載ZYHロボットAMAMAM842875844ID異常異常前工程欠前工程欠図・3停止内容と阻害率(分)93%期間作成日作成者~月佐々木n=オーバーロード真空圧異常ハンド異常配置異常搬送異常図・4ロボット異常内容停止時間可動率が1.1%低下で生産遅れが発生し,全員が残業対応となり,改善が急務と考え,テーマ「ロボット異常撲滅による組付ライン可動率向上」に取り組むこととしました。3.現状の把握と対策のねらい所導入されたロボットの概要は,前工程から流れてきたケース,ハウジングの順に洗浄機へセットします。この時ロボットは「クランプ(つかむ),持上げ,反転」と複雑な動作が必要になります。ロボットは,ケース,ハウジングと異なった形状をクランプするためハンド部に「砂袋ハンド」と呼ばれる部品を使用しています。砂袋ハンドは砂袋と外袋で構成されており,その動作は①クランプ前はフリーの状態②砂袋を形状になじませる③砂袋内を真空エジェクターにて吸引し,ハンドを真空固定する④真空状態を維持したまま搬送となります(図・5参照)。異常が発生するメカニズムは,真空エジェクターにて砂袋内を吸引した際,真空圧が規定の時間内に基準値まで到達せず異常となっていました。異常が発生したハンドを調査すると両手とも摩耗しており,特に左手の劣化砂袋内部ケース形状になじむ吸引砂袋内が真空砂が寄添い固定図・5砂袋ハンドの構成と動き学びどころ取り組む設備の詳細把握,異常が発生するメカニズム分析を徹底的に実施することによって,後の活動へと確実につながります。ハンド真空圧異常が発生すると,ハンドの交換が必要となり,交換時間は平均30分かかり,突発的な交換は組付ライン停止に直結します。過去の交換履歴を見ると毎月6〜7回,平均すると4,050台生産ごとの交換になっていました。慢性的な異常措置は危険リスクが高くなり,拡大傾向もあります。ハンドの穴あき部位を特定するために4つのゾーンに分け,過去の異常処置記録表からチェックシートを作成し調査した所,すべて左手のaゾーンで穴あきが発生していることがわかりました(表・1参照)。クランプ位置を特定するためにケースクランプ面には緑色の塗料を,ハウジングクランプ面には赤色の塗料を使用して調査した結果,aゾーンには赤色のみが付着しておりハウジングにより穴あきが発生していると判断しました。また付着した塗料の形から凸形状と2020年9月号35


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