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解説:現状把握1.問題と問題点問題(事象)は,何らかの問題点(悪さ)によって現れます。たとえば,「製品に打痕が発生する」という問題には,「衝突,接触,落下」といったいくつかの問題点があるのです。問題の事実を確認して発生メカニズムをつかみ,データの分析によって特徴やばらつきを見つけて,何が問題点なのかを追究するのが現状把握です。このように,問題と問題点を混同しないように気をつけましょう。2.現場の特定現状把握は,現場を特定することからスタートします。現場とは,「問題が発生している場所と,問題に至った製造・作業・行動などのプロセス(工程)」です。前項の例であれば,「製品ラインの加工プロセス」などが現場となるでしょう。3.事実の確認特定された現場(発生場所と発生プロセス)を三現主義(現地・現物・現実)によって調査し,「これが問題点である」という事実(このようにして発生する)を確認します。五感だけで①6/86/9棒グラフ【P:調査計画】現場調査とデータ収集はなく,基準との照合,測定,動きの撮影,関係者からの聞き取り,などによって調査します。前項の例では,「作業手順の確認や製品の流れをビデオ撮影する」といった方法で打痕の発生状況を調査するとよいでしょう。こうした事実確認を怠ると,問題点を誤ったり見落としたりするので,確実に調査することが大事です。4.データの収集と分析問題の特性値データ(件数,回数,時間など)を分析して,「この時期から発生している,この製品や作業の時に多い」といった特徴から問題点を見つけます。データは,日常的に管理している品質指標,計器の値,測定値などから採取します。定性的な問題では,代用特性や独自に数値化したデータを使うとよいでしょう。収集したデータは,「時系列,作業者別,材料別,工程別,製品別」などに層別し,目的に応じたグラフを使って分析します。●大きさの順…パレート図●時系列の変化…折れ線グラフ●分布の傾向…ヒストグラム●大きさの比較…棒グラフ●全体の割合…円グラフ,帯グラフ前項の例では,「打痕の発生件数を製品別や作業者別などに層別して」特徴をつかむとよいでしょう。なお,手法は適材適所で使うことで機能を発揮する道具です。使い方を誤らないように気をつけましよう。5.問題点の抽出事実確認とデータ分析からわかったことが問題点です。問題点がいくつかある場合は,あれもこれもではなく,関連性のあるものを集約したり,影響の大きなものを重点指向で絞り込むようにします。このようにして,現状把握から導かれた問題点を,目標設定と要因解析のステップにおける特性にすることで論理的なつながりができます。(鈴井正巳)③材料の変形①記録の整理②時系列変化折れ線グラフ①機械の音②外枠の熱6/56/56/9④分解手順6/56/46/66/8⑤作業姿勢担当期日F君6/12A君6/13G君6/13B君6/14③作業者別C君D君E君A君B君パソコンDB6/106/116/136/126/14聴覚触覚【D】実施②③調査結果問題点異常なし異常なしB03が短い異常なし異常なし記録あり調査項目調査方法④材料別パレート図B03が多いゲージ聞き取りビデオ4月から増異常なし【C】【A】現場調査収集28QCサークルNo.707