QCサークル 2020年4月号(No.705)


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体験事例1学びどころ現状把握で大切なことは,発生状況をデータで示し,要因を層別することです。各工程の発生率を比較することで,重点志向によるねらいどころが明確になっています。4.目標の設定,要因解析活動目標は,12月度0.8%あった打痕不良を8月末までにゼロにすることとしました。判明した3つの要因に対し,それぞれ要因解析を行いました。1)“治具にぶつかり打痕”に対しては「治具の材質が硬い」ことが,2)“測定時ぐらついて打痕”では「人による作業のばらつき」が,3)“検査時の落下で打痕”については「製品がつかみにくい」に原因を絞り込みました。これらの主な原因に対し,若手の育成とチーム間の競争意識をねらって,①治具改善チーム,②作業改善チーム,③やり方改善チームの3チームに分け,ベテランと若手がペアになり,小集団で活動に取り組むことにしました(図・4参照)。程で打痕がつくのかを切り分けるため,品質課に依頼し大きさを測定してもらったところ,打痕の深さは最大0.03㎜であることがわかりました。仕上げ工程での削り代は0.2㎜であり,打痕の深さよりたくさん削っています。つまり,仕上げ加工より後の工程に原因がありそうです。2018年活動目標ゼロにこだわりを持ちサークル活動で取り組む!ゼロには届かず目標(年)(%)不良発生率年改善》製品同士の接触打痕の防止・からくり工夫による搬送のカートリッジ化・排出ワークの向き統一化《《年改善》加工治具との接触打痕の防止・測定簡易ゲージ化と測定台の安定化・保護カバーによる打痕キズの防止・治具の樹脂化による製品ダメージの軽減図・2過去の改善と打痕発生率推移そこで仕上げ加工後の工程を調査し,次の3つの打痕発生要因を突き詰めました(図・3参照)。図・3不良発生工程の調査1)初物測定工程(発生率;0.36%)⇒治具にぶつかり打痕2)口元測定工程(発生率;0.28%)⇒測定時にぐらつき作業ミスで打痕3)検査工程(発生率;0.17%)⇒検査時に落下させて打痕図・4若手・ベテランの原因ごとペア活動5.検証原因ごとペア活動のうち,作業改善チーム「口元測定時ぐらつき作業ミスでの打痕」について説明します(図・5参照)。口元測定とは,左手で製品,右手で測定治具を持って製品シートの口元寸法を測る作業です。測定治具の合わせ面が小さいため,治具先がズレて滑った時に製品への打痕になります。また不良発生数が作業グループによっ2020年4月号33


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