QualityClub_Sample_201704


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TQMの基本とその進め方シリーズ第1回企業活動とTQM(有)品質管理総合研究所代表取締役所長細谷克也(「TQMの基本とその進め方」編集委員会委員長)TQMの必要性問われる品質経営システムの質企業を取り巻く経営環境は,これまで経験したことのないほど厳しく,その変化は激しいです。事業のグローバル化が進み,モノとサービスを一体化した価値の提供が求められ,国内外市場の競争は一層激化し,企業に戦略的対応を求めています。企業は製品やサービスを生産し,これを消費者に販売することによって経営が成り立っています。したがって,社会に受け入れられ,消費者が喜んで買ってくれるような品質の製品やサービスを生産・販売すること以外に,この時代に生き残り,企業を繁栄させていく道はないのです。日本企業は,品質を中核において,顧客満足の創出,感動を呼ぶ新製品の開発および大幅なコスト削減…などの実現による企業価値の向上に努めています。ここにおいて,TQM(TOTALQUALITYMANAGEMENT:総合的品質管理)を導入し,効果的に推進していくことは,これからの事業存続のための良策と言えるでしょう。TQMとは経営の質向上に貢献する経営科学・管理技術TQMとは,「企業の構成員全員の参画によって,顧客の要求を満足する品質を経済的に実現し,企業の安定した成長をはかる品質重視の経営手段」のことです。「総合的品質管理」を実施して,顕著な効果が認められる企業に対して授与される最も権威のある賞として,デミング賞があります。デミング賞委員会では,TQMを次のように“定義”しています[1]。12▼機関誌『クオリティ・クラブ』の創刊にあたり,特別企画として,「シリーズTQMの基本とその進め方」を連載することにしました。▼TQMをこれから取り入れる企業,長年取り組まれている企業,なかなかうまく進められずに悩まれている企業など,その状況は様々と思われますが,今一度TQMの基本に立ち返り,TQMをどのように進めればよいのか,その効果について学んでいただけるよう,全12回のシリーズとしました。▼本シリーズは,管理職ならびに係長クラスの方を対象に,TQMの基本を学べるような内容としましたが,本シリーズで改めてTQMのうまい進め方を修得していただければと思います。▼執筆は,大学で教鞭をとられている専門家に加え,企業での実務経験,指導経験豊富な方々にご協力いただき,10名で各回を分担いたします。▼誌面の都合で執筆者の紹介は割愛させていただきますが,発行号をお待ちいただければ幸いです。▼約2年にわたる長期シリーズとなりますが,どうぞよろしくお願いいたします。第1回企業活動とTQM第2回TQMの全社的推進第3回経営戦略と方針管理・機能別管理第4回新事業・新製品開発の管理第5回顧客志向の品質保証活動第6回原価管理・利益管理第7回生産量・サプライチェーンの管理第8回標準化と日常管理第9回人材育成・QCサークル活動第10回QC的ものの見方・考え方第11回QC手法とその活用第12回これからのTQM本シリーズ全12回のタイトル(予定)本シリーズの開始にあたって創刊特別企画クオリティ・クラブNO.12017年4月号9


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