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載講連新QC七つ道具を学ぶ座大阪電気通信大学猪原正守第6回PDPC法による不測事態への対応1.はじめにこの連載講座もいよいよ最終回になりました。これまで,N7における親和図法,連関図法,系統図法,マトリックス図法,アローダイヤグラム法について説明しました。第5回でも触れたように,最適手段に対する詳細な実施計画で取り上げたすべての手段が計画通りに実施できない場合もあります。そのような事態が発生する可能性を想定し,臨戦即応策を検討する手法として開発されたPDPC(ProcessDecisionProgramChart:過程決定計画図)法について説明します。2.PDPC法とはPDPC法とは,目的達成のための実施計画が当初の予想通りに進捗するとは限らないと懸念される場合に,時間とともに移り変わる状況を表現し,計画段階のみではなく,それまでの事象を考慮して,これに対処するアイデアの発想を支援する手法です。それは,近藤次郎氏[1]が東大における学園紛争に対する科学的解決法として研究されたもので,QC手法開発部会[2]によって重大事故予測図法とも命名されたものです。例題ある営業担当者が,大阪本社で商談を朝11:00〜11:30で予定し,東京駅発07:30時の「のぞみ11号」(新大阪着10:00予定)に乗車していました。しかし,列車が静岡駅を過ぎた頃に緊急放送があり,“米原駅付近で発生した線状降水帯のため,列車は名古屋駅で待機する可能性があります”とのことです。名古屋09:10発が大幅に遅れると,商談予定時刻に遅れたり,最悪の場合には商談がキャンセルになったりする可能性もあります。この場合,あなたはどう対応されますか(図・1参照)。緊急の車内放送近鉄丹波橋京阪丹波橋東京静岡豊橋名古駅京都新大阪近鉄名古駅図・1想定される路線図顧客本社大阪近鉄難波48QCサークルNo.749