QCサークル 2023年2月号(No.739)


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特集QCサークル活動はSDGsにも貢献しています!SDGs目標8-8:「安全で安心な労働環境の促進」にかかわる事例からくり改善で部品積替え作業の疲労を解消プライムアースEVエナジー㈱境宿工場M.Projectサークル事例2会社と職場の紹介当社は,静岡県湖西市に本社を置き,近隣の境宿工場では,HEV用ニッケル水素電池などを製造しています。私たちは,このモジュールを完成品にする,パック工程のメンバー8名で活動しています。問題の背景パック組立作業で,部品収納箱(ボルト・ナット約10kg)を専用棚へ供給していますが,「箱の先出し・持上げ・積上げ」が発生するために,身体的な疲労を訴える声が多く出ていました。そこで,働きやすい職場づくりに向けて,作業工程の改善に取り組みました。改善の内容これまでは,専用棚が狭いため,品番ごとに部品収納箱を積上げて置く必要があり,①旧品の箱を一旦取り出す(先出し)②新品の箱を棚に供給する(持上げ)③旧品を新品の上に乗せる(積上げ)という作業手順で行っており,重くて疲れてしまいます。これを,からくりを使った,品番ごとのシューター方式に改造し,ハンドル操作で昇降させるリフターを製作・設置しました。これにより,手作業で行っていた部品収納箱の積替えが不要となりました(図・1参照)。得られた成果月に20回の手作業による部品の積替えがなくなり,作業者の疲労が解消されました(図・2参照)。維持管理の定着朝礼で健康チェックを行い,部品供給作業に対して疲労を訴える声は出ていません。作業要領書で,取扱方法などの教育と定期点検の実施を標準化しました。「M.Projectサークル」のみなさん改善前供給棚に新旧部品を手作業で積替え改善後部品ごとのシューター方式にしてリフターで昇降元位置図・1部品供給方法の比較(回/月)20改善前0改善後図・2疲労を感じる手作業の回数◎学びどころ働きやすい職場環境や作業は,ムリを排除することからといわれるように,疲労を感じる作業を設備改善で解消した事例です。リフターとシューターには,からくりの原理が応用されており,省エネの視点からも参考になります。今後,作業の負担などを判断する場合には,「重労働作業姿勢評価表」を使うとよいでしょう。(構成鈴木則子)2023年2月号11


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