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特集QCサークル活動はSDGsにも貢献しています!2023年2月号9近年,様々な場面で「SDGs」というフレーズを耳にします。いうまでもなく,「持続可能な開発目標(SustainableDevelopmentGoals)」の略称で,貧困・人権・環境・エネルギーといった地球規模の課題を国際的に解決しようとする枠組みです。2015年の国連サミットにおいて,2030年までに達成するとして,193ヵ国によって採択されています。持続可能とは,自然環境に悪影響を与えず長期にわたって維持できる」との意で,目標達成の条件となっています。SDGsには,17項目の目標があり,さらにブレイクダウンした169のターゲット(目標ごとに10点程度)で構成されています。目標1:貧困の解消目標2:飢餓の絶滅目標3:健康と福祉の促進目標4:質の高い教育を受ける目標5:ジェンダー平等の実現目標6:安全な水とトイレの確保目標7:クリーンエネルギーの確保目標8:経済成長と雇用の促進目標9:産業と技術革新の基盤づくり目標10:国内と国家間の不平等の是正目標11:住みやすい街づくり目標12:消費と生産の責任の遂行目標13:気候変動の緊急対策の実施目標14:海の豊かさを守る目標15:陸の豊かさを守る目標16:平和と公正の遵守目標17:パートナーシップの発揮国主導のもと,自治体や企業・団体が中心となって取り組んでいます。企業では,「カーボンニュートラルの推進」や「エコ商品のキャンペーン」など,様々な活動が経営戦略として展開されています。QCサークル活動においても,SDGsを意識した活動の推進が掲げられ,テーマの選定や改善の工夫の場面などで活かされています。しかし,これまでのQCサークル活動においても,結果としてSDGsに貢献している事例があることも事実です。特に,「ムリ・ムダ・ムラ・キツイ・キケン・キタナイ」といった,仕事で生じる困りごとの改善は,SDGs目標のターゲットの趣旨と一致しているのです。たとえば,電気のムダ使いは「目標7-3:エネルギー効率の改善」,キツイ作業行動は「目標8-8:安全・安心な労働環境の促進」,売れ残りの廃棄は「目標12-3:食品ロスの減少」,のように該当しています。(数表示は,目標№-ターゲット№を示します)今月の特集では,「QCサークル活動はSDGsにも貢献しています!」と題して,困りごとの改善がSDGsにかかわっている具体的な事例を取り上げました。改善内容と成果に併せ,維持管理の定着について,SDGsの視点で紹介します。SDGsが,国際社会のニーズであり,QCサークル活動もその一翼を担っていることを認識していただければ幸いに思います。(鈴井正巳)東海編集小委員会2月号特集メンバー委員長/八木雅弘委員/今枝いち子,遠藤克義,奥山淳,河島和美,櫻木善仁,鈴井正巳,鈴木徹,鈴木則子,萩原璃紗,廣田衛