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●第6330回QCサークル大会(九州支部北部九州地区主催)からの推薦●体験事例1測定誤差の要因をマイクロレベルで突き止めて検査の質向上を実現した事例測長器検査の信頼性向上~シリンダゲージ検査の誤判定防止~ホワイトアウトサークルトヨタ自動車九州㈱●所在地:福岡県宮若市上有木1番地●構成人員:7名(男性6名,女性1名)●メンバー年齢:平均39歳●結成:2015年4月●テーマ歴:6件目●本テーマの会合回数:12回●1回の会合時間:60分(時間内)こんな事例です要求レベルが高い測定器の誤判定をなくすため,現場・現物を徹底的に調査して測定誤差を分析するとともに現実的な解決策を導き出した,三現主義を愚直なまでに実践した事例です。SQC手法を活用して導かれた論理的,科学的に納得性の高い要因を絞り込む分析力の高さや,わかりやすい標準化の仕方も見逃せません。メンバーの強みを活かしてステップごとのリーダーを決めるなど,運用面でも参考になる事例といえるでしょう。職場・サークル紹介当社は,国内に2ヵ所あるレクサスの生産拠点の一つです。次世代レクサスの第一弾モ32QCサークルNo.734デルとなる新型NXをはじめとする5車種を生産している車両製造の宮田工場に属しています。お客様に安心と最高品質をお届けするために品質に妥協せず,世界のお手本となる工場を目指しています。私たちの職場は車両生産の各現場で使用されている製造品質の基準となる計測器の精度管理を担当しています。我々のサークルは,計測を専門とするグループと,分析を専門とするグループのメンバーから構成されています。中堅層を中心に,新人からベテランまでのバランスのとれたメンバーで構成されたサークルです。サークルレベルはBゾーンの入り口に位置し,Bゾーンの定着を目指して取り組んでいます(図・1参照)。現状目標QC的見方ルール遵守運営仕事への意欲業務連携手法の活用知識と技能サークル会合改善技能軸:チームワーク点軸:点図・1サークルの現状背景とテーマの選定会社方針,部門(品質管理部)方針に沿って現状を確認したところ,「確かな良否判定と自工程完結の追究」,「各業務の納期遵守」の2項目に問題があり,さらに問題の詳細を確認した結果「測長器検査の誤判定」を最優先課題と位置づけました。測長器とその重要性について解説します。測長器とはノギスやゲージなど,長さを測る計測器のことをいいます。この測長器は,自動車でいう車検と同じように定期的に検査して合格しなければ使