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特集病院・介護施設特集〜活動の苦労と成果〜Q.3QCサークル活動推進体制,推進の工夫毎年,20チームほどが結成されます。一次審査を通過したチームが院内成果発表会に参加します。最優秀チームにはQCサークル全国大会参加券が贈呈され,主に九州や宜野湾での大会に参加します。近年はコロナ禍によりQCサークル全国大会への参加を自粛していますが,大舞台での発表は自信につながり,他サークルの熱のこもった質の高い発表を聴講することで刺激を受けています。発表は緊張しますが,発表後は,現地でおいしいものを食べて,観光を楽しむことができるのも大きな魅力となっています。サークルマロンハートテーマカウンセリングを行っている方からの問い合わせにおける困り感の低減職場・サークル紹介当院の診療支援部門の中に臨床心理課があり,公認心理師/臨床心理士(以下,心理士)3名が勤務しています。サークルメンバーは全員臨床心理課に勤務しており,主な業務として,外来患者様や入院患者様を対象に,カウンセリング,各種心理検査,集団精神療法を行っています。臨床心理課の業務は,患者様と1対1で実施することが多く,ほとんどは担当制です。それぞれが心理士として患者様に寄り添い,ともに考え,日々奮闘しています。改善のねらい,背景Q.1「臨床心理課の業務を行ううえでの問題点」について,メンバーにアンケートを行ったところ,カウンセリングを受けている患者様(以下,クライエント)からの問い合わせへの対応に関して高い得点を示していました。そこには,心理士とクライエントが直接やり取りをすることができる仕組みがなく,事務員を介する必要がある背景も関連している可能性が考えられました。クライエントから対応が今一つだという意見も聞かれたため,クライエント,心理士ともに抱いている困り感を改善する方法の検討が必要だと考え,テーマとしました。Q.2改善の内容カウンセリングにおいて,クライエントと心理士の関係性は非常に重要な位置づけにあります。その点を考慮したうえで,クライエントから問い合わせを受けた際のシステムを整備することとしました。テーマの要因解析の結果,心理士が直接対応することの重要性や,心理士側から行動を起こすことも必要であるという意見があがりました。そこで,システム部門と協働して①直接心理士が対応する,②心理士が対応できない場合,事務員から心理士が電話を折り返す旨伝えるというシステムの改善を実施しました(図・1参照)。事務員や外来スタッフに協力を依頼し,良好な返答をいただいたため,システムの運用を開始し,3ヵ月後にクライエントにも効果確認のアンケートを実施することとしました。臨床心理課設立以来運用されていたシステムを変更するため,他部署の方に理解・協力を求めたり,業務負担がかかりすぎないようにメンバー内で何度も意見を出し合いました。また,クライエントの意見も取り入れられるよう工夫しました。2022年9月号11