QCサークル 2022年8月号(No.733)


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特集私たちのサークル活動の工夫を教えます図・3進捗が見えるように,ステップを“すごろく”風に方法でやってみたい」といったリーダーの構想も盛り込みました。設備だけでなく,加工方法が大きく変わると,顧客承認は厳しくなります。リーダーは生産課の担当者。加工に関しての経験値は高いですが,自業務以外の分野に初挑戦するため,生産技術,品質保証などの先輩と一緒に取り組むことが必要不可欠でした。そこで先輩を相手に,進捗管理をしなければならないリーダーを支援する方法を考えました。現状どこまで進んでいるか,次のステップは何か。難題が待ち構えていても,気が重くならないように,“すごろく”風に見える化(図・3参照)。重要で,労力がかかるステップをクリアすると,アメリカンコミックなどのヒーローと合成されたメンバーの写真が姿を現し,仲間に加わっていく工夫をしました。自分が何のキャラクターになるか,戦々恐々でしたが,設備の側面に掲示し,通りがかる人に見えるようにしました。「頑張ってるな!」と多くの声援をもらい,目標①設備作業者2名の育成,②設備稼働時間195時間/月→285.6時間/月を達成。加工改善による手離れ・工数削減で顧客承認が得られ,3つの製品は月産24台加工できるようになりました。工夫点3:工程納期遵守率向上でアルミ部品加工にかかる工数低減「西野JAPANサークル」は,テーマ「工程納期遵守率向上でアルミ部品加工にかかる工数低減」に取り組みました。加工工数がオーバーしており,工程納期を50%ほどしか守れていない3つの対象製品に対し,作業者の負荷低減と納期遵守85%を目標に決め,進めることになりました。進捗状況を,シルエットクイズにして掲示しました。初めは“宇宙人”の姿,活動が進むと,ある社員の姿が現れてくる…。協力してくれた社員以外は,誰も正解を知りません。クイズ的な要素を盛り込むことで,メンバーにも楽しみを持ってもらい,周囲の関心を高めることで,活動へのモチベーションが上がるように工夫しました(図・4参照)。楽しく活動に取り組めた結果,A製品98%,C製品100%と,2つの対象製品で目標達成できました。図・4“宇宙人”シルエットクイズにして,興味・関心を引く工夫3.事例から学ぶこと「やってよかった活動」は,かかわった人の“達成感”だけではなく,自分の職場,会社がよくなっていくことを体感できること。“楽しそう”,“おもしろそう”と,サークルだけでなく,周囲の人が活動に興味・関心を持つしかけによって,次の問題・課題への挑戦に前向きな気持ちが生まれます。活動を“見せる”→“見てもらう”→“聞いてもらう”→“認めてもらう”。苦労やしんどさはありますが,楽しく,面白みのある活動の工夫を通して,“自分たちのやりがい”につながっている点が参考になる事例です。(藤本史穂・豊田美央)2022年8月号11


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