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特集QCサークル活動の共有化により活動の輪が広がっていますきなかった人にも改善を知らせることができ,「これは自分の職場に使える」と思った人が自由に改善を取り入れられることが特徴です。4.改善事例サークル名:NICU私定時で帰ります隊活動テーマ:記録の工夫でNO残業(1)サークル紹介当科は新生児集中治療室病床(NICU)12床と回復期用の病床(GCU)18床で,年間約150~200名の新生児に携わっている総合周産期母子医療センターNICU部門です。生まれたばかりの小さな命に真摯に向き合い,情熱を持って仕事に携わる看護師5名と看護助手1名の多職種サークルです。(2)テーマの背景メンバーのみなさん病棟には看護スタッフ44名が在籍し,そのうち22名が子育て中です。当院の看護体制は3交代制で,8:30~17:00の日勤,16:00~0:30の準夜勤,0:20~8:50の深夜勤の3つの勤務帯でシフトを組み,交代して働いています。特に日勤の次に深夜勤が続くパターンでは,勤務間インターバルが非常に短く,残業なしで少しでも早く帰宅することが望まれます。しかしNICUという新生児の命をあずかる職場ゆえに看護スタッフには手を抜くことのない一生懸命さがあり,育児短時間勤務制度(育短)取得者を含め,定時で帰宅しているスタッフはほぼおらず,残業が常態化していました。また,夜勤回数が他部署より多いことから,仕事への意欲ややりがいが低下してしまう危険がありました。時間内に何が終わらず,時間外に何をどの程度行っているかを「見える化」し,みんなが共通認識できる姿が理想で,育短取得者や深夜勤務入りスタッフを優先し帰宅させられるよう「お互い様の気持ち」を培いたいと思い,活動を行いました。(3)Before(7月25日〜31日)(単位:時間)経過表入力SOAP・サマリー入力現状把握:平日日勤帯「13時から退勤するまで」の看護業務量調査時間内(13時〜17時)の記録の内訳と時間時間外の記録の内訳と時間残業時間に行っている業務内容を調査するため,日本看護協会が定める「看護業務量調査」を実施しました。その結果,94%は「管理業務」であり,そのうちの62%は看護行為分類Ⅰの「記録」であることがわかりました。また,記録業務を看護行為分類Ⅱで分類し,時間帯別に集計してみると図・1の結果となり,時間内はタイムリーに入力が必要な経過表入力が集中しており,時間外はSOAP記録(患者さんの診療・経過記録)や看護計画立案・修正といった後回しにもできる記録が集中していることがわかりました。図・1看護業務量調査処置オーダー入力0.1看護計画立案・修正1.2処置オーダー入力1.33.2経過表入力0.1(単位:時間)3.41.5SOAP・サマリー入力看護計画立案・修正3.9(4)After特性要因図により問題点の洗い出しと対策立案を実施(図・2参照),看護計画に関する記録業務をチームカンファレンス時に行うことで時間内にシフトさせました。また,業務共有化ツール「お助けボード」に支援してほしい業務を記入し,それをもとにチームリーダーが勤2021年10月号11