QCサークル 2021年6月号(No.719)


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⑤管理図の管理図は,群の平均値を用いて工程水準を評価し,管理図は,群の(5)を用いて工程変動を評価するために用いる。【(1)~(5)の選択肢】ア.変動するイ.変動しないウ.平均値エ.プロセスオ.偶然原因カ.範囲キ.測定誤差ク.かたよりケ.管理限界線コ.プロセス水準線【解答】(1)エ(2)ケ(3)オ(4)ア(5)カ【解説】(1)管理図は,連続したサンプルの統計量の値を特定の順序で打点し,その値によってプロセスの管理を進め,変動(特性値のばらつき)を維持管理および低減するための図のことです。通常は時間順又はサンプル番号順に打点します。(2)折れ線グラフは,時間軸にプロットされた時系列グラフです。しかし,これは点の動きはわかるが,プロセスが安定状態なのか,又は異常が発生しているのかがわかりません。このため,品質特性の中心線とある基準との間でどのような点の動きをしているかの状態を把握することで,そのプロセスが安定状態なのか,又は異常状態であるかの判断ができます。この特徴を考慮したものが管理図です。このため,管理図は,中心線と2本の管理限界線からできています。なお,管理限界線とは,プロセスの安定性を判定するために用いる管理図上の線のことです。(3)管理限界線に挟まれた領域のデータのばらつきは,偶然原因によるものと判定し,管理限界線の外に出たデータは異常原因によるものと判定します。このため,データが管理限界線の外に出たときはその原因を追究し,処置をとる必要があります。管理限界線を超えるデータがなく,トレンド,連,周期などの変動がなければその製造工程は安定していると判断できます。プロセスの変動には,偶然原因と異常原因があります。偶然原因とは,プロセスに固有の原因(プロセスを運用する際に現れる許容できる程度のばらつき)であり,変動が統計的に求められた限界内であることが予測されます。一方,異常原因とは,プロセスの偶然変動以外のプロセスの変動(たとえば,4Mが大きく変化することによる,許容できない変動)のことです。(4)管理図には,打点された値が連続尺度のデータを表している計量値管理図(重量,長さなど),および打点された値が数えられたデータ(不適合品率など),又は分類されたデータ(合格率,1級品率など)を表している計数値管理図があります。管理図は,サンプルサイズが変動する場合に用いられ,打点される値は,比率又はパーセントで表される計数値管理図であり,不適合品率でプロセスを管管理図は,サンプルサイズが一定の場合に用理する場合に用います。一方,いられ,不適合品数などでプロセスを管理する場合に用います。(5)管理図は,群の平均値を用いて,ある時点においてプロットされた標準統計量の期待値を評価することができるので,群の平均値の動きで工程水準を把握できます。一方,工程変動を把握できます。管理図は群の範囲を用いるため,変動を評価することができ,54サークル1


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