QCサークル 2020年11月号(No.712)


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連載講座組織が顧客に受け入れられる製品・サービスを提供するには,顧客価値を考えることが大切だといわれますが,顧客価値についての考え方を教えてください。②質問解説②顧客価値を考える際には,顧客の購買行動を考えてみるとよいでしょう。たとえば,高画質4Kテレビを購入する時には,画面がきれい,画面が大きい,音量に迫力がある,操作しやすい,長持ちする,価格が安いなどを考えて,数ある機種の中からどのテレビを購入するかを決定するのではないでしょうか。4Kテレビであれば何でもよいので購入するという行動はとらないと思います。顧客価値とは.製品・サービスを通して,顧客が認識する価値のことです。これには,製品・サービスを購入する際の購買動機および選択の基準,製品・サービスの特性やそのメンテナンス・修理の容易さ,廃棄にかかるコスト、および製品・サービスを生産する組織に対する信頼感,ブランドなどに関するものがあります(図・2参照)。したがって,生産者は顧客価値を考えた品質保証活動を行うことが重要です。製品・サービス製品・サービス顧客が価値を感じるものが選択される顧客価値買い換えたい音に迫力があるすぐ修理に来てくれる会社が信用できるなど図・2顧客価値の考え方2020年11月号53製品設計では製品安全を考慮した設計が必要であり,製造物責任を考えることが大切といわれていますが,これについて説明してください。③質問解説③製造物責任(PL:ProductLiability)とは,製品の欠陥により消費者が生命・身体・財産に損害を被った場合,製造者などに賠償責任を負わせることです。つまり,製造業者が製品の欠陥についての責任を持っていることを意味しています。製造物責任法(PL法)違反の例を次に示します。①化粧水に大腸菌および真菌(カビなど)が繁殖したなどとして,購入者が化粧品製造会社に対し損害賠償を求めました。2~10ヵ月程度でカビなどが発生する商品は,化粧水として通常有すべき安全性を欠いているとして,この化粧水の「欠陥」が認められました。②携帯音楽プレーヤーを付属の充電器に接続して充電していたところ,同プレーヤーが炎を上げて燃えるという火災事故が発生し,手に熱傷を負う事故が発生しました。この音楽プレーヤーのバッテリーには,過熱を保護するという通常有すべき安全上の「欠陥」があったものと認められました。このように,製品の設計・開発段階や製造段階などで安全への配慮が十分でない場合,製造物責任が問われます。このため組織は,製造物責任が起きないような未然防止活動,すなわち


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