QCサークル 2020年11月号(No.712)


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特集サークル運営の秘訣を学ぼううQCサークルに授与されるものです。では,どのような発表内容が期待されているのでしょう。QCサークル本部規定の「本部長賞選考のための審査基準」では,審査の着眼点と評価配点の目安を次のように示しています。【審査の着眼点(評価配点の目安)】(1)運営の基本/個の成長と活動の継続性・発展性(40点)活動が継続・発展出来るような運営の工夫がなされているか(2)改善事例の内容と成果(40点)適切なテーマで,内容のある確かな活動になっているか(3)発表の方法(20点)分かりやすい発表で,感銘を受けるような内容かQCサークルの多くの発表は,あるテーマの改善事例ですが,改善事例に上記のような着眼点を織り込むことは困難です。そこで,これらを織り込んだ事例が「運営事例」と呼ばれるものです。運営事例について,本部規定の別の規定で次のように示されています。【運営事例の意義と本部長賞の魅力について】運営事例の意義は,QCサークル活動に取り組むことにより,具体的な職場の問題解決が進むとともに,活動を通じて人は成長し,お互いを認め合う質の高い改善が進み,職場が変わることにあります。また,運営事例の発表のねらいは,これまで実施・運営してきたQCサークル活動を振り返り,運営事例発表に取り組むことを通じて,活動の節目,節目で自分たちの活動,仕事への取り組みになどについて,“PDCA”の回し方を習得することであり,職場活性化の有効な手段の一つです。QCサークル本部長賞を目指すには,出場条件に合致し,継続して培ってきた活動の過程や工夫,そして成果など,いわばサークルの成長過程を運営事例としてまとめ,支部代表の推薦を受けて全日本選抜QCサークル大会に出場し,審査・評価を受けることになります。運営事例から学ぶQCサークルを結成し,ずっと活動が順風満帆で進めていければいいのですが,様々な変化がサークルへも影響を及ぼすのは常といえます。その時々の問題や悩みを知恵と工夫,そして努力で乗り越えてきて,サークルは強くなり成長していきます。運営事例とはこのサークル運営の知恵と工夫,努力の成長記録といえ,同じような悩みを抱くサークルにとって,運営事例から学び,自サークルに取り込み,活性化に資すことができます。しかしながら,運営事例を見聞きする機会は限られています。全日本選抜QCサークル大会および支部または地区で事前に開催されるそれぞれの選抜大会となります。最近は発表を撮影したDVD(日科技連出版社)を購入して見ることもできますし※,本誌にも全日本選抜QCサークル大会から学ぶ記事がありますので,ぜひウオッチングして参考にしてください。QCサークル本部長賞,特に金賞受賞サークルは,審査・評価の結果,ほかのサークルの範となるとして活動が認められたものです。その成長の過程におけるサークル運営の知恵と工夫を参考にしていただくとともに,変化の激しい中で,たとえば現在のコロナ禍におけるモデルとなるようなQCサークル活動の姿を実体験から学べる発表を数多く期待したいものです。※2020年はDVDの販売なし(山田佳明)2020年11月号11


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