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連載講座連載講座エピソードを通して品質管理の基本と実践を学んで,QC検定に挑戦しよう!第9回QCサークル活動(小集団改善活動)と人材育成QCサークル活動(小集団改善活動)を行うための基本となる考え方を教えてください。①質問解説①QCサークル活動は,現場における品質管理の普及を目的として1962年に発刊された『現場とQC』誌(現在の『QCサークル』誌)第1号の「発刊に当たって」メッセージにおいて,故石川馨氏により提唱されスタートしました。1996年には,製造現場以外でも活動が行われるようになった状況に合わせ,「QCサークルの基本」を制定し現在に至っています(図・1参照)。QCサークル活動を行ううえで,忘れてはいけないことは,「QCサークル活動の基本理念」です。そこには,まず組織を構成する個々の人の成長,そして組織の成長,最後に企業貢献の順で記載されています。つまりQCサークル活動とは,人材育成と職場の活性化を通じて,企業の体質改善に寄与する活動であるといえます。もちろん,活動の最終的な目的である職場の改善や効果金額,課題の克服などの有形効果も重要ですが,結果を出すために職場を動かす人材育成や組織を成長させることが大切です。QCサークル活動を通してQC的ものの見方・考え方や固有技術などを身につけ,それに基づいて行動ができる人や組織の育成を進めてください。QCサークルの基本QCサークル活動とはQCサークルとは,第一線の職場で働く人々が継続的に製品・サービス・仕事などの質の管理・改善を行う小グループてある.この小グループは,運営を自主的に行いQCの考え方・手法などを活用し創造性を発揮し自己啓発・相互啓発をはかり活動を進める.この活動は,QCサークルメンバーの能力向上・自己実現明るく活力に満ちた生きがいのある職場づくりお客様満足の向上および社会への貢献をめざす.経営者・管理者は,この活動を企業の体質改善・発展に寄与させるために人材育成・職場活性化の重要な活動として位置づけ自らTQMなどの全社的活動を実践するとともに人間性を尊重し全員参加をめざした指導・支援を行う.QCサークル活動の基本理念人間の能力を発揮し,無限の可能性を引き出す.人間性を尊重して,生きがいのある明るい職場をつくる.企業の体質改善・発展に寄与する.(出典:QCサークル本部編纂『新版QCサークル活動運営の基本』日科技連出版社)図・1QCサークルの基本(出典:QCサークル本部編纂『新版QCサークル活動運営の基本』日科技連出版社,1997年,P.12)図·1QCサークル活動の基本2020年9月号51