QCサークル 2020年3月号(No.704)


>> P.*12

にも,ばらつきを表現する方法がありますので,代表的なものを下記に記しておきます(ただし,求め方は割愛しますので『QCサークル』誌2019年1月号の連載講座を参照してください)。範囲(R):最大値と最小値の差分散(V):偏差平方和(S)を自由度で除したもの標準偏差(s):分散(V)の平方根変動係数(CV):標準偏差(s)を平均値で除して,100を乗じたもの「三現主義」という言葉をよく聞きますが,どのようなものですか。③質問解説③品質管理においては,経験や勘のみに頼らずに,事実をデータとして把握し,客観的な判断を下す,という事実に基づく活動(事実に基づく管理)という考え方を大切にします。これは,ファクトコントロールともいいます。この時の事実のとらえ方の代表が三現主義です。三現とは,現場・現物・現実のことを指し,3つの「現」を表しています。問題が起きている現場に出向いて,現物をよく確認し,現実的に観察したうえで,問題解決に活かすという考え方です。ちなみに,三現主義に原理,原則を加えた5ゲン主義という考え方もあります。3つの「現」と2つの「原」なので,「5ゲン」なのです。三現主義などで得られたデータをグラフなどの手法を用いて直感的にわかりやすくする見える化も大切なことです。手法を用いて見える化したら,必ず「わかったこと」などの考察を近くに書き込むことも重要です。解説④事実とデータとは必ずしも同じものではありません。データは事実から一部分だけ採取したにすぎず,あくまでも事実の代用品であるという認識が必要です。通常,私たちは事実を推測するために,「標本(サンプル)」を取り出して,評価・分析することにより,データ化しているのです(図・1参照)。「事実」=「データ」ととらえてよいのでしょうか。④質問図・1母集団とデータの関係50QCサークルNo.704


<< | < | >>