QCサークル 2019年9月号(No.698)


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特集働き方を変えよう~自工程完結視点からの業務の見直し~「未受注」のシステム保守見積り依頼でした。年平均で615時間,未受注の案件に工数をかけていることがわかり,ムダな工数とまでは思っていませんが,工数を減らす必要性を強く感じました(図・4参照)。【ポイント②】現状の業務フローや工数ばかりにとらわれず,新たな視点で「お客様が望むシステム保守見積りとのギャップ」,「見積り依頼すべてに同じ業務フローで算出している」ことに気づき,広い視野で効率的な活動ができています。本テーマの重要性について,メンバー全員で共有化がはかれています。すべての見積り依頼に対し,業務フロー通りに算出1,539件×4時間=6,156時間/10年間⇒約615時間/年※未受注にかける工数4.対策のねらい所・検討・実施2017年度グループ方針にもある「システム保守業務の標準化と簡易化」を念頭に入れ,図・4未受注案件にかける工数①新入社員も含め,誰でも簡単にシステム保守見積りができる②お客様の予算ガイドラインをオーバーしない見積り金額を算出できる「概算見積りツール」による業務の効率化を対策のねらい所としました。次に概算見積りツール作成の前に,概算の定義を決める必要があると考え,まず,世間一般での概算見積りとはどれくらいなのかを調査するところから開始しました。その結果,PMBOK(ピンボック)という国際的なプロジェクトマネジメント標準の「ソフトウェア開発の見積り」を参考とし,75%〜150%が一般的な定義と結論づけました(図・5参照)。ただし,お客様の立場になって考え,100%未満の下振れは避けたいとの思いから,今回の概算見積りツールは,100%〜150%を「ねらい目」としました。また,この概算見積りツールの作成は,業務を熟知したメンバーの一人が内製,非常に使い勝手のよいものに仕上がりました。そのため,余分なコストはかからず,人材育成にも大きく貢献しました。図・5「概算見積り」の理論75〜150%概算(要件定義前)5.効果の確認1件当たり,240分かかっていた作業が12分となり,年間で41,040分も削減。その結果,1名の担当者は保守の現場のサポートにまわることができ,さらにお客様満足度向上に貢献できました。【まとめ】つねにお客様の立場になって考えることを意識し,特定の人しかできなかった複雑で繁雑な作業のIT化に成功。工数削減だけでなく,担当者以外新人でも簡単に「システム保守見積り」ができるようになり,グループ方針である標準化と簡易化に沿った活動ができています。さらには「働き方改革」にも貢献できています。(名倉三加代)2019年9月号11


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