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連載講座QC検定受検講座~3級から2級へ~連載講座「QC検定受検講座~3級から2級へ~」小委員会メンバー委員長:須加尾政一委員:遊馬一幸,井上研治,大津渉,鈴木秀男,中島健一第6回管理図今月勉強する「管理図」は3級でも2級でも出題されています。品質管理では「管理図に始まり,管理図に終わる」などといわれています。これは管理図そのものを書くのは簡単ですが,有効に活用することはなかなか難しい,初歩的ではあるけれども勉強していくと非常に奥が深い手法であることを意味しています。管理図と折れ線グラフでは,どのように違うのか考えてみてください。折れ線グラフとの違いは,管理図には中心線とその上下(あるいはその片方のみ)に管理限界線(これらを管理線ともいいます)が引いてあることです。これらの線に対して,打点した点,およびそれを結んだ線がどの位置に,どのような推移をするかで時間的(時系列的)な変化を読み取ります。ばらつきには,現状の技術では克服できない偶然原因によるばらつき(偶然誤差)と,何らかの処置を講じなければならない異常原因によるばらつき(系統誤差)があります。管理図は偶然原因によるばらつきを基準にして,異常原因によるばらつきを検出する手法といえます。管理図では「安定状態(統計的管理状態)」における,偶然原因によるばらつきを群内のばらつきとして,これを基準にして異常原因による群間のばらつきや群内のばらつきを検出します。なお,「安定状態」に関する説明は後述します。あらかじめ採取したデータに基づいて工程が「安定状態」であるかどうかを調べるのが解析用管理図です。それに対して解析用管理図の管理限界線を延長して,データを採取するごとに異常がないかを検討するのが管理用管理図です。解析用管理図の管理限界線は破線,管理用管理図の管理限界線は一点鎖線で引くというルールもあります。2019年6月号53