QCサークル 2019年4月号(No.693)


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テーマ1現在ものづくりの現場に積極的に取り入れられているITについて,直面する難解な問題を幅広いコミュニケーション(“C”)を通じて解決し,I“C”Tを実現した事例です共創活動によるカムシャフト焼入れ機QRコード読取りNGゼロへの挑戦!!マツダ㈱本社工場第2パワートレイン製造部雷神サークル私たちの職場は,SKYACTIVエンジンの主要部品である「カムシャフト」と「クランクシャフト」の熱処理を担当しています。2012年に結成した「雷神サークル」は“失敗しても成功するまで地道に挑戦し続ける”にこだわり,一人ひとりの力を結集し,全員参加で活動しています。1.テーマの選定私たちの職場に,新車種(モデル)の立上げが計画されました。新車種立上げ期間では,設備改造のためにラインを停止させながら,生産計画通りに生産する必要があります。しかし,実力のJPH(1時間当たりの生産数)を基準にした生産能力検討で,ライン停止により,カムシャフトの生産計画を達成できないことがわかりました(図・1参照)。そこで「稼働分析の神」*)に相談し(コミュニケーションその1),異常発生データの分析を行ったところ,「QRコード読取りNG」が,全体の71%を占めていることが判明しました雷神サークルのみなさん(図・2参照)。「〜の神」*):稼働分析や改善,保全,画像処理などの各領域において,卓越した技を持つ者図・1活動の背景図・2異常分析結果2.現状調査現状調査として,QRコードを用いたトレーサビリティーと,QRコード読取りの仕組みを調べました。①QRコード:製造日時や加工データなどの製造履歴追跡のため,各部品に打刻されているコードです(図・3参照)。②トレーサビリティー(製造履歴追跡)システム:QRコー図・3QRコードドに書き込まれている部品の製造履歴と動力性能や燃費など商品の特性データをつなげて,部品特性が商品特性に与える影響を把握できるシステムです。お客様の感動や「走る歓び」につながる商品特性の改善を加速するための仕組みです(図・4参照)。③QRコード読取り装置:カムトップまでの距離を測りながらサーボモーターでカムシャフトを回転させ,QRコードが上になったら停止。データをカメラで読み取ります(図・5参照)。10QCサークルNo.693


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