QCサークル 2021年3月号(No.716)


>> P.7

特集他流試合—初めての社外発表—チーム内の要因でしたが,真因①は委託元(前工程)との間の要因でした。ここで,仕事が前後の工程でつながっていることに改めて気づきました。真因追究の過程で出てきた「本音」を共有できたことで,お互いを理解し合うきっかけになり,チームに笑顔と会話が戻りました。(4)対策実施仕事や人のつながりを改善する対策を検討し決定しました。対策①は前工程の委託元と協議し,仕事のアウトプット条件を定量的に定義する。対策②はチーム内の業務進捗度がわかる業務管理シートを作成し共有する。対策③として解析条件と結果を整理するデータ管理シートに結果の判定を自動出力させることで,できばえ確認が一目でできるようにしました。新規業務拡大に対応効率化0目標0%手直し6.74(%)1086420手直し率(5)効果の確認対策後,手直し率は0%になり目標達成,納期遅れもなくなりました。手直し工数が消え効率化につながったこと,水平展開のために手順を標準化したことで,新規業務拡大に対応できる基盤ができました(図・4参照)。対策前対策後対策後2019上期2018下期2018上期図・4効果確認ここがポイント自分たちの仕事が前工程と後工程の間にあり“仕事がひとつにつながっている”ことに気づきました(図・5参照)。後工程へのアウトプットの質を上げるにはチーム内はもちろん,前工程からのインプットを確実にすることが重要です。前後工程も含めた“仕事のつながり”に踏み込むことで,本質的で効果的な改善を実現し,技術向上に貢献できました。図・5仕事のつながりインプット情報確認自チームOutput解析モデル解析条件計算投入計算結果確認解析方法の具体化作成設定解析プロセス分析レポート作成報告前工程委託元後工程委託元Inputサークルメンバーにインタビュー「想い」「どうしたらよい発表ができるだろう」と,社外QCサークル大会を経験した上司や先輩サークルに相談しました。そこで「何を一番伝えたいか?」と問われ,「QCサークル活動をと答えました。当初は質問の意図がわかり通じてチームがひとつにつながり成長できたこと」ませんでしたが,資料の作り込みや発表の工夫を重ねるうちにその「伝えたいこと」が私たちに変わり,サブタイトルの「~QCは人と仕事をひとつにつなげる~」がキーの強いメッセージとして発表の軸になったこと,その「共感」してもらうことが私たちのモチベーションにつながったことで,問われた意味が理解できました。また,熱心な指導やアドバイスに全力で応えたいと全員の意欲が高まり,チームの団結力はより強固になりました。初めての社外発表は想像以上にみなさんの共感が得られ,仲間のとの言葉に達成感を感じました。この経験が私たちの自信になり,自職場だけでなく社内全体のQCサークル活動の活性化にもつながったと確信しています。「よかった」,「感動した」「想い」にまとめ「どうしたらよい発表ができるか?」と,上司や先輩に相談したところ,「何を一番伝えたいか?」と問われ,メンバー全員で「伝えたいこと」を真剣に考え,自分たちが伝えたい「想い」につながりました。日頃から上司や周りのサポートがあるからこそ,自分たちで考え行動する力がついたよい事例です。(堤博幸)2021年3月号11


<< | < | > | >>