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体験事例1品物品物板にて仕上げを行います(図・3参照)。切れ発生箇所硬い樹脂でできており,切れは逆傾斜面の角から発生していました(図・6参照)。石膏型手直し時間:20分型表と裏面が品物の形状になっている品物脱型・仕上げ図・5表裏共通型切れ発生逆傾斜面流込み口品物面が側面本体ケース品物面(硬質樹脂)側面流しケース(表裏共通型)品物面(硬質樹脂)切れ発生逆傾斜面本体ケース品物面(軟質樹脂)流込み口上面流しケース(表型・裏型)品物面に対して上面から流込みを行う品物面に対して側面から流込みを行う図・6上面/側面流しケースの比較逆傾斜面とは,流込み口からケースをのぞいた際,死角となる品物面です。なぜ逆傾斜面の角に切れが発生するのかを明確にし,真の原因を追究します。ワンポイントアドバイス現状把握は,時系列的な状況も確認しましょう。また,手直し100%であるC473とほかの型との違いに着目することも解決の糸口を探るための重要な視点です。4.目標の設定切れの発生をなくし作業負荷を平準化するため,2016年9月末までにC473P後板型の型表面切れを「ゼロ」にすることを目標としました(図・7参照)。(%)%%現状(手直し発生率)改善後図・7目標の設定原料を流し込む型脱型・仕上げ同じ型を2つ以上組み合わせる型を成形へ①ステンレス棒②石膏傷入れ石膏型傷入れ6分③金板傷入れ後石膏型石膏型石膏埋め6分石膏型仕上げ8分図・3切れの手直し作業切断,破砕による切れを調査した結果,切れは型の表面で止まっており,すべて型に対して横方向に発生し,型の下部に行くにつれて切れの発生が多く深さも深くなっていました。また,型厚みの薄い箇所に切れが多く発生し深さも深くなっており,凹んだ部分の頂点から切れが発生していました。品番ごとに切れの発生を比較してみると,流込み方法では側面流しケース,部位では表裏共通型に切れが発生していました(図・4参照)。切れの発生の有無無無無無無無無無無無有有有有有有品番SK7SK6L713L714L117部位表型裏型表型裏型表型裏型表型裏型表型裏型後板型表裏共通型釉試験表裏共通型10mm板表裏共通型色見溶融距離温度傾斜表裏共通型表裏共通型表裏共通型流し込み方法上面流しケース側面流しケース図・4品番ごとの切れの有無調査表裏共通型とは,型の両面が品物の形状になっており,同じ型を2つ以上組み合わせて流込みを行うことで一度にたくさんの品物を造ることができます。表裏共通型は,成形工程での場所効率・作業性が良いことから造られた型です(図・5参照)。ケースは2種類あり上面流しケースは,品物面が底面にあり柔らかい樹脂でできていますが,側面流しケースは品物面が側面にあり,2019年5月号37